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傾斜地に家を建てる方法

傾斜地に家を建てる一番の理由は、眺めの良い場所に住みたいからではないでしょうか?

事実、当事務所をお訪ねくださるお客様は、皆さん眺望についてを一番に考えられます。

気に入った景色を楽しみながら暮らすにはどうしたらよいのか。

傾斜地に家を建てるための注意点についてお伝えすることで、素晴らしい景色と共に暮らす為のお手伝いをしたいと思います。

傾斜地とは何か

大前提として傾斜地とは何を指すのか、一括りにされがちですが言葉について今一度整理してみました。
どれも似た言葉ですが、微妙にニュアンスが変わるので確認してみましょう。

・傾斜地とは
・法面とは
・崖とは

傾斜地とは

傾斜地とは主に不動産取引で使われる用語になりますが、斜めに傾いている土地の事を指します。単に斜面とも言います。
厳密な定義は存在しません。

法面とは

法面(のりめん)とは、そのままでは宅地として使用が難しい斜面になっている状態の土地を表す言葉です。
法面を不動産取引で使用する場合は、主に土地造成で作られた斜面を指す場合が多いようです。

崖とは

崖とは傾斜、勾配が急で通常の用途には使えない土地を指します。

建築基準法では傾斜地などはまとめて「崖」として表記されています。
この「崖」について、建築基準法では明確な定義がなく各地方自治体によって取り決めをされていますので、崖地や崖に面する
土地を購入する前には各自治体で事前調査が必要となります。

また、崖地には災害等による崖崩れで住民が被害に遭うことを防ぐ目的で、多くの地方自治体が条例を定めて建築物や構造物の
制限をしています。
この通称「がけ条例」と呼ばれる規制により、希望している間取りやデザイン、コストを達成できなくなる可能性もありますので、購入前には必ず専門家に相談して下さい。
下部リンクは、岡山県のがけ条例についてですので参考までにご覧ください。

傾斜地工事の注意点

傾斜地(斜面)にいきなり、ポコッと建物を置くわけにはいきません。駐車場が必要ならば尚更です。
傾斜地に家を建てる際の造成工事について注意点をいくつかお伝えします。

・水みちについて
・盛土について
・切土について
・樹木の伐採、伐根について

水みちについて

水みちとは、その名の通り「水が流れる道」です。

地下には、いくつもの水みちがあり地表に降った雨は地面に浸透しながら低い土地に向かって流れていきます。
この流れを寸断したり掘り起こしてしまうと、雨天にはたちまち水が噴き出してしまうことになります。

水みちは、荒らすことなく工事を進めるのが原則です。

盛土について

盛土(もりど)とは、傾斜地を平らな土地にするために土砂を盛ることで、宅地造成のための工法として広く使われています。

土砂を積み上げただけでは、地盤沈下、地震時の地滑りや液状化、大雨による崩落や土砂流出などが起きやすいのでしっかり
とした対策が必要です。
具体的には、盛土を30cmする毎に転圧したり、盛土自体に固化材という物質を混ぜた地盤改良工事などを敷地の地盤の固さ
によって判断し実施します。

切土について

切土(きりど)は、傾斜地を平らな土地にするために、地面を掘り取ること。盛土とは真逆の造成工事方法です。

切土による工事は、傾斜した地盤を掘削するので一般的に強固な地盤上に建築できるメリットがありますが、しっかりした
地下水位調査をおこなっていないと水みちを乱してしまい、工事完成後に敷地内が水浸しになってしまう恐れがあります。

また、土砂は購入して盛るより、切り崩して廃棄する費用の方が高くなることも把握しておく必要があります。

樹木の伐採・伐根について

傾斜地に限った話でなく、平地でも樹木が生えている可能性は十分ありますが、見落としがちな部分なので注意が必要です。

伐採は、樹木を根元から切り取ること。
伐根とは、木の切り株を根ごと掘り起こすことです。 根っこごと抜き取ることにより、樹木を敷地から完全に除去します。

これらの費用は、大木になれば実際の作業費の他に重機代や処分費も増していきます。
数十万単位でコストアップするので、なるべく草刈りだけで完結する土地を選びましょう。

まとめ

傾斜地に建つ家は土地探しに苦慮します。
土地代が安いというメリットを最大限いかすためにも、上記で述べた注意点をできるだけ回避できる土地を探しましょう。

おすすめは、北側道路に面した南側にある斜面です。そして高木のない土地。
切土を避け、最低限の盛土で敷地造成することでコストダウンを図る方法です。

おすすめの理由は、次回以降のブログで記載していきたいと思います。

土地探しに苦慮しても、傾斜地に家が建ってしまえば全て報われます。
報われる程の景色が待っています。

苦労は報われると言いますが、私は今まさに自邸でそれを感じている所です。
日々移り変わる景色と季節の流れを一望しながら過ごす日々は何事にも代えがたい経験です。
是非、ご自身ご家族で体感してもらいたいと思います。

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